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保護犬、保護猫を迎えたい、
新しい家族のために知っておきたいこと。

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ペットを含め、動物を保護する法律は年々厳しくなっていますが、飼育放棄されたり劣悪な環境で育てられたりするペットたちが後を絶たないのが現状です。不幸な犬や猫たちを少しでも減らすために、新しい家族を迎えるときは、保護犬、保護猫を選択肢として考えてみてはいかがどうでしょうか。実際にどのような流れでお迎えするのか、また、心構えや必要なことを知っておきましょう。

1.保護犬、保護猫とは?


飼い主がいなかったり迷子になったり、また、飼育放棄や劣悪な環境下でレスキューされたりした犬や猫たちのことです。繁殖犬として育てられ、ケージから外に出たことがない犬や、飼い主の病気などで引き取られてくる子など、保護された経緯はさまざまです。2021年度に全国の保健所や動物愛護団体に保護された犬や猫は約5万8千匹にも及び、このうちの7割以上が新たな飼い主に引き取られています。

2.保護犬、保護猫を家族に迎えるには?

自治体の動物愛護センターや民間の動物保護団体、里親募集サイトや動物病院、保護犬、保護猫カフェなどがあります。それぞれの団体が譲渡会を開いているので、写真だけで決めるのではなく、実際に会って決めることをお勧めします。

3.保護犬、保護猫を迎えるための心構え

ペットショップで購入する犬や猫たちと違い、保護犬や保護猫は心に傷を負っている子が多いのが特徴です。普通にペットを飼う以上に難しい面が出てきます。必ずクリアできるかを家族で確認してから迎えるようにしましょう。

お金がかかる

当たり前のことですが、ペットを飼う以上、食費や医療費、トリミング代など、あらゆる面で費用が発生します。2021年のある保険会社の調査では、犬は年間で約34万5千円、猫は約17万円の飼育費用がかかるという結果が出ています。一生涯にかかる費用は、平均で犬が490万円以上、猫が250万円以上と言われています。

個性だと思って受け入れることが大事

保護犬や保護猫は心に傷を負っている子が多く、大きな音、手を振り上げる動作、細長い棒状の物、男性や女性などの特定の人物などに恐怖心を持っている子もいます。これらはいくら愛情を持って育てても変わらないこともあります。保護犬、保護猫を迎えるときは、「こんな子に育てたい」と理想を持つのではなく、全てが個性だと思って受け入れるようにしましょう。

時間的な余裕を持てるか考える

さまざまなトラウマを抱えているぶん、新しい家庭に慣れるまでに長い時間と根気を要します。普通の子ができるトイレや散歩も、迎えたばかりの頃はなかなかできないことも。留守番などで孤独にさせると、強いストレスを感じて体調を崩してしまう原因にもなります。そのため、最初の何ヶ月かはつきっきりになることもあるので、時間的な余裕が持てるかを考え、日中家に人がいないことが多いという家庭では、飼育は避けたほうがいいでしょう。

最後まで面倒をみることができるか

保護犬、保護猫は、成犬や成猫が多いので、迎えてから健康面で問題が出てくることもあり、継続的な治療が必要になることもあります。病気になってもしっかりと医療を受けさせることができるか、また、飼い主さんのライフスタイルが変化しても飼い続けられるかを、家族で必ず確認しましょう。

4.保護犬、保護猫を迎えるために知っておきたいこと

里親になる条件は厳しい

各団体により条件は異なります。一例として、飼育者の年齢制限、家族に動物アレルギーを持つ人がいないこと、未婚のカップルは不可、単身者及び男性は不可、飼育歴がない人は不可、学生や未成年は不可など、細かく記載があります。また必要項目として世帯の収入がわかる書類の提出や、家族全員の顔写真の提出を求められる団体もあります。

「こんなことまで必要なの?」と思うこともありますが、各団体とも不幸だった犬や猫を愛情のある家庭に譲りたいと思う中で、誰もが当然だと思うルールを守れない里親も多く、条件を厳しくせざるを得ないのだそうです。

無料ではない

保護犬、保護猫は無料で譲ってもらえると勘違いしている人も多いですが、費用が発生します。団体により異なりますが、ワクチン接種や不妊治療、検便や血液検査、歯石除去、マイクロチップの装着までしっかりと行ってくれる団体もあり、費用はおおよそ犬で3〜10万円、猫で3〜6万円程度をみておきましょう。なお、自治体などの愛護センターでは医療措置を行っていないため費用は1万円程度ですが、引き取った後に動物病院で健康診断や不妊手術などが必要になります。

トライアル期間がある

民間の動物保護団体では、2週間程度〜数ヶ月のトライアル期間を設けています。自治体の動物愛護センターでも同じように設けている所があるので、実際に保護犬、保護猫が新しい環境に馴染めるかを確認するようにしましょう。トライアル期間中も、動物保護団体などは飼育に関する相談に色々と乗ってくれるので安心です。トライアルが順調に終了してから正式な譲渡へと進みます。

保護されるまでの環境やどんな経緯で保護されたのかを聞いておく

どんなことにトラウマがあるのかを聞いておくと、お迎え時の環境づくりに役立ちます。併せて、食べていたペットフードや大好きなおもちゃがあれば確認しておきましょう。また、保護されてからの健康状態や、引き取り費用の中にどんな検査が入っているのかも確認しておくと、お迎え後の検査スケジュールを組むのに役立ちます。

事前に準備をしましょう

保護犬、保護猫を迎えることが決まったら、ストレスを減らすためにできるだけ過ごしやすい環境を整えてあげましょう。家の中にスペースを作り、ケージやペットシーツ、首輪やリード、ご飯の容器や水入れなど、必要な物を準備しておきます。事前に聞いておいたペットフードやおもちゃも忘れずに用意しましょう。

5.トライアル期間も含め、保護犬、保護猫を迎えたら

新しい環境にはどうしても怯えてしまうのが、保護犬、保護猫です。例えば、連れてきたとたん、体調を崩してご飯を食べなかったり、吐いて下痢をしたりすることもあります。とにかく「不安」な気持ちにさせないように、最初は構い過ぎを避けて、優しく名前を呼んでお世話するだけにとどめましょう。大きな声を出すのもNGです。

そのうち自分からケージを出て家中を探検するようになります。保護犬であれば、あちこち匂いを嗅ぐようになるでしょう。中には保護団体でしっかりとしつけをされてくる子もいて、馴染むのに時間がかからない子もいます。しかし、おおむね慣れるまでには数ヶ月かかるとみておきましょう。

注意したいのは、慣れない環境下にいるため、少しの隙をついて脱走してしまうことです。特に保護猫は飛び出してしまうことも多いので、玄関や窓の開閉時はケージに入れるなど、脱走対策はしっかりと行いましょう。

保護犬、保護猫は、過酷な環境下で過ごしてきたため、飼育には苦労することもたくさんあります。その分、名前を覚えてしっぽを振ってくれたり、そばに寄ってきてくれたりなど、心が通じたときの嬉しさはひとしおです。大切な家族の一員として、ぜひ、保護犬、保護猫を迎え入れることを考えてみてください。

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