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<後編>シニアペットトータルケアアドバイザーがご紹介!役に立つ犬の介護用品
(床ずれ防止マット、ケア用品編)

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自らの介護経験をもとに「犬ともクラブ」を開設した、シニアペットトータルケアアドバイザーの金田敬子さん。前回は介護に役立つ車椅子やハーネス、クッションなどについてお聞きしましたが、今回は、寝たきりのワンちゃんには欠かせない床ずれ防止マットや、高齢犬でも安心して使えるケア用品や小物などについてご紹介いただきます。

1.寝たきりがちのワンちゃんに

床ずれ防止マット(ホームナース)

大きな特徴は、マットの構造です。PTBと呼ばれる特殊なポリエステルの立体構造になっていて、縦横に糸のアーチが何層にも重なり空洞があります。何と空洞はマット体積の96%を占めています。この空洞のおかげで通気性抜群。マットと皮膚の間にこもった熱を効率よく逃すので、サラサラとした肌触りでワンちゃんの皮膚を清潔に保つことができます。

もしおしっこをしてしまっても、すぐに下まで流れてくれるので、マットの下にペットシーツを敷いておくのがベストです。丸洗いOKで、しかも汚れが落ちやすく、洗濯をしてもその日のうちに乾くほど速乾性があります。

また、高反発なので起き上がりや寝返りもしやすく、体圧を分散するため、長時間寝ていても疲れにくく、床ずれ防止にもなります。

介護以外にも、ドッグスポーツをしている子や足腰に問題を抱えている子など、ワンちゃんの年齢や健康状態に関わらず使えるマットです。サイズはSS〜LLまであります。

【選ぶときのポイント!ここが大事】
高齢犬には、体をすっぽりと包み込むような柔らかいマットの使用は控えたほうがいいと金田さんはアドバイスします。「ワンちゃんたちは高齢になると筋力が衰えるため、柔らか過ぎるマットは起き上がれなくなってしまったり、また硬すぎても血流が悪くなって、床ずれや夜鳴きの原因になったりします。睡眠時間が長くなってくるシニアのワンちゃんたちには、疲れにくく安心して眠れる寝床を作ってあげることが健康維持につながります。」

この床ずれ防止マットは、老犬ホームなどでも使用されていて、マットを変えただけで夜鳴きがなくなったという報告や、犬ともクラブでも、車椅子の調整に来ていたワンちゃんが、このマットの上でスヤスヤと気持ちよさそうに眠ってしまい、飼い主さんが驚かれたことがあったそうです。

冬はこのマットを毛布などでくるむと、体温で温まった空気を逃さず、高い保温効果を発揮します。

2.高齢犬でも使える安心安全なケア用品

大豆からできている植物原料由来多機能洗浄液(ナノウエル・クリーナ)


ペットサロンでの高齢犬のシャンプーは、早い子だと10歳くらいで断られてしまうことがあります。理由は、高齢なので慎重にならざるを得ないから。そんなときにこの洗浄液で体を拭いてあげるといいそうです。原料は大豆からできていて、舐めても目に入っても安心安全、しかも製造過程でアレルギー成分は除去してあるので、大豆アレルギーを起こす心配もなく、川や海に流れても環境を汚染しません。

成分の大豆油脂肪酸は、ウイルスの除去と抗菌作用があり、真菌やマラセチアなどの皮膚疾患がある子にも使用できます。また、ニオイやカビも防ぐ効果もあります。

「すべての子に当てはまるわけではありませんが、以前、オムツかぶれで皮膚がただれてしまった子に、応急処置として、患部を洗浄液で拭いて、乾かしてからお薬をつけてあげてくださいとアドバイスしたら、『かぶれがきれいになりました』と飼い主さんがすごく喜んでいました」

人間が使用しても安全なので、非常時の防災グッズに加えておくのもいいかもしれません。同行避難の際などにとても役立つはずです。

愛玩動物用口腔内洗浄液(ナノウエル オーラルケア)

近年では、犬でも歯磨きをする子も増えてきましたが、どうしても歯磨きが嫌いな子もいます。また、若い頃は平気だったのに、高齢になったら歯磨きを嫌がるようになったり、歯周病が進行して口臭が気になったりする子もいます。特に歯周病は、ワンチャンたちの心筋梗塞や誤嚥性肺炎、腎臓病や認知症のリスクを高めるので、口腔内の環境を整えることは、これらの病気の予防にもつながります。

この口腔内洗浄液には犬用と猫用があります。前項の多機能洗浄液同様、大豆からできているので、口内炎や歯肉炎を発症している子にも安心して使えます。しかも、朝晩3滴ずつ口腔内に垂らすだけという手軽さで、磨く必要はありません。継続的に使用することで、成分の大豆油脂肪酸が持つ抗菌作用が歯石や歯垢の付着を防ぎ、口臭が気にならなくなったという子もいるそうです。また、歯磨き用のジェルとして使うこともできます。

3.他にもいろいろある介護用品

活性光線でペットの体を温めるマット(アルファウェーブPET)

冷えは血流を滞らせるだけでなく、免疫機能も低下させます。このマットは、活性光線という高レベルの遠赤外線の波長で、高齢のペットたちの体を芯から温め、代謝を上げる効果が期待できます。

また、夏でクーラーをかけた部屋などは、ワンチャンたちの足元が冷えて、足先が冷たくなってしまうことがあるので、年間を通じて使えるように、表と裏で2WAY生地になっています。サイズはS〜LLまで。

ペット用伸縮包帯(ペットフレックス)や足を守る滑らない靴(ウォーカーブーツ)

ペット用伸縮包帯は、骨折などのケガの応急処置にも使え、足先に巻いて靴下などの代用として使うこともできます。伸縮性があり包帯同士が粘着しますが、ワンちゃんの皮膚や被毛には粘着しません。テープで止める必要もないので、巻き直しや取り外しが簡単に行えます。包帯を足先に巻くことで、ワンちゃんが意識的に足を上げるようになり、足の引きずりが改善されたというケースもあるそうです。

また、高齢になるとどうしても足に力が入りづらくなり、足を引きずってしまったり、障害物をうまく避けられずに足を傷つけてしまったりすることがあります。ウォーカーブーツは、表を防水性に富んだ厚みのあるクッション材を使って保護性を高め、弾力があるゴムの底地が、滑りを防ぐだけでなく路面からの熱や寒さからワンちゃんの足を守ります。マジックテープで固定するので脱げにくく、フローリングやカーペットでも滑らないよう加工が施されていて、水洗いも可能です。

吸水性抜群のペットタオル(3WAY ペットタオル)

肌触りが良く、マイクロファイバー製で吸水力抜群のタオルです。吸収力は綿のタオルの15倍にもなり、マットの上に敷いておけば、おしっこをしてしまった際もこのタオルが吸収してくれます。

また、高齢犬のシャンプーや汚れた部分の洗浄時は、なるべく体に負担をかけずに短時間で済ませることが大切です。このタオルは吸水性が良いので、ドライヤー時間の短縮にもつながります。

盲目杖(Muffin’s Halo)


目が見えにくくなってきた高齢犬は、家の中で家具などにぶつかったり、散歩中も植え込みの枝などに気づかずに急にぶつかって驚き、座り込んでしまったりすることがあります。この盲目杖は、顔の周りにガードがあり、ワンちゃんがぶつかって顔にケガをしないように守ってくれます。

「顔の長さ」「首周り」「胴回り」のサイズが必要で、XXSから3XLまであります。

4.ワンちゃんたちが過ごしやすい環境を作る

高齢のワンちゃんたちが快適に過ごせる環境は、飼い主さんにとっても、介護の負担を軽減することにつながります。大切な家族だからこそ介護の悩みは尽きず、思い詰めてしまう飼い主さんも多いはず。

「床ずれ防止用のグッズやその他の介護用品を、人間用のもので代用したり、手作りしたりしている方も多くいらっしゃいます。ワンちゃんが快適に過ごせれば何も問題はありません。ただ、どんな介護用品も、間違った使い方をすると、症状の悪化や老化を早めてしまうことにつながります。どのような介護用品があり、どのように選べばいいのか、迷ったら気軽に相談してください」と金田さんは語っています。

※記事内の商品については「犬ともクラブ」へ直接お問い合わせください。

健康, 健康

犬ともクラブ (いぬともくらぶ)

(左)車椅子調整士の橋本さん/(中央)金田敬子さん/(右)代表取締役の金田京子さん
(手前)愛犬の陸人(リクト)くん

◆取材にご協力いただいた「犬ともクラブ」について
 住所:〒164-0014東京都中野区南台2-20-8 パラシオン南台1階
 電話:0800-123-1122
 営業時間:9時30分〜19時(月〜土曜)

◆リンク先
 ペットの介護用品専門 愛犬サポート・犬ともクラブ

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