愛犬と快適な旅行!
車でお出かけする際の必需品やポイント
目次
犬を飼い始めたら、いつかは車で一緒に旅行に行きたいと思う人も少なくないでしょう。でも、初めての旅行は何を準備すればいいのか、愛犬の体調は大丈夫だろうかなど、心配は尽きません。今回は、チワワのダルビッシュ君とイングリッシュセッターのピノコちゃんを飼っている鈴木教悦さん智子さんご夫妻(神奈川県在住)にお話を伺いました。お二人は、1〜2カ月に一度は愛犬と一緒に旅行をしていて、車で2〜3時間くらいの場所から、ときには5時間近くかかる遠方地まで行くこともあるそうです。愛犬との旅行で必要な物、あると便利な物、注意する点など、ベテランならではのアドバイスをいただきました。
左:チワワのダルビッシュ君 ♂ 13歳(2024年1月現在)
性格:のんびり屋 2013年の5月に千葉県の「コンパニオン アニマル クラブ 市川(CACI)」より鈴木家に引き取られる。
右:イングリッシュセッターのピノコちゃん ♀ 1歳半(2024年1月現在)性格:元気一杯のお転婆さん。
2023年の8月にダルビッシュ君と同様、CACIより鈴木家に引き取られる。
1.愛犬と旅行に行くときに持参する物
普段から食べているフードや食器類、リード
食器は宿にも備えてありますが、中には環境が変わるとご飯を食べなくなる子もいるので、食べ慣れているフードや使い慣れている食器を用意しましょう。
ちなみに、鈴木さんご夫妻は、普段使っている食器をそのまま持参しています。また、雪道や渋滞などで思いがけず長旅になってしまうこともあるので、フードは1日分余分に持つようにしているそうです。
リードは、スタンダードリードや伸縮性のリード、広い場所で遊べるようにロングリードなど、行き先や用途によって使い分けます。
洋服類
突然の雨でも大丈夫なように、レインコートは必需品。寒い季節に着る防寒具や、暑い季節のためのクールウェアなど、愛犬に合わせて持参します。久しぶりに着させたらサイズが合わなくなっていたということがないように、旅行前に一度試着させると安心です。
トイレ用品
ペットシーツ、マナーベルトやマナーパンツ、ウェットティッシュなど。なお、ヒート(生理)中の場合は、他のオス犬が近寄ってきてしまうので、旅行は控えましょう。宿泊施設も、ヒート中は遠慮してくださいとしている所が多いです。
ブラシと粘着ローラー
旅先では愛犬の抜け毛が気になるものです。ブラシや粘着ローラーを持参して、こまめにケアをしましょう。
迷子札
万が一のために、迷子札を首輪に取り付けましょう。
鈴木さんご夫妻のピノコちゃんは、鳥を見つけると一瞬で飛び出してしまうことがあり、旅行に行く際は、遠目からでもハッキリと見えるように、名前と連絡先を記した迷子札を首輪に付けています。
鑑札や証明書
住んでいる市区町村で犬を登録すると渡される「鑑札」、狂犬病の予防注射を接種した際に交付される「注射済票」は、宿泊施設で提示を求められることが多いものです。持参するか、写真でも大丈夫という施設も多いので、あらかじめスマートフォンに写真を撮って保存しておきましょう。特に狂犬病の予防注射は、1年以内の接種票が必要です。
また、施設によって、3種以上のワクチンや5種以上のワクチンの接種証明書が必要な所もあるので、事前に施設に確認しておきましょう。
あると便利な持ち物
大きめのペット用防水シーツ
ホテルでは、ベッドの上に犬をあげることを禁止している所が多くあります。万が一ベッドに愛犬が上がって汚してしまわないように、ホテルに到着したら、あらかじめベッドの上にペット用防水シーツを敷いておきましょう。
消臭スプレー
公共の場に連れていくときや、粗相をしてしまったときなどにすぐに使えるようにしておきます。
愛犬の首に巻く保冷剤やペット用のホットカーペット
暑さや寒さから愛犬を守ります。
アウトドア用のコンロ
手作りご飯を食べている子は、普段食べているご飯を冷凍して持っていき、ホテルの電子レンジで解凍したり、コンロがあればその場で作ってあげたりできます。車中泊旅行の場合は、アウトドア用のコンロがあると便利です。
ボトル型の浄水器
飼い主さんも使用できる携帯用の浄水器。浄水フィルターが装着されていて、どこでも水道水を浄水して愛犬に与えられます。鈴木さんご夫妻は、渋滞などで水を汲みに行くことができないときのために、予備として飲み水を2リットル用意しています。
タオル
愛犬の足や体を拭くなど、さまざまなシーンで使えるので、多めに持参します。
2.移動中の注意点
休憩時は気分転換を
移動中は、30分くらいを目安にこまめに休憩をとります。休憩時は愛犬にリードを付けて車外に出し、トイレをさせるなど、気分転換をさせてあげましょう。近年は、高速道路のサービスエリアにドッグランを併設している所も多いため、そこで遊ばせてリフレッシュするのもよいでしょう。
一瞬の隙に逃げ出さないように注意
休憩時に車外に出すときは、ちょっとした音や刺激で、犬が車から飛び出してしまわないように充分に注意します。ノーリードはNGです。
水分補給を忘れずに
休憩時は必ず水分補給をさせましょう。さっきあげたから飲まないかなと思っていても、意外に飲むことがあります。
愛犬を乗せる場所
鈴木さんご夫妻は、安全を考えて、愛犬を荷室スペースではなく後部座席に乗せています。運転手の膝に乗せて窓から顔を出させたりする乗せ方は、過去に「乗車積載方法違反」として取り締まりになった事例があるのと、急ブレーキなどで愛犬がけがをする恐れがあるのでやらないようにしましょう。
3.旅行先でけがや病気をしたときのために
宿泊場所周辺の動物病院を探しておく
鈴木さんご夫妻のダルビッシュ君は、以前キャンプ場で散歩中に地蜂に刺されたことがありました。急に「キャン!」と大声で鳴き、グッタリとしてしまったため、慌てて動物病院を探しましたが、車で1時間近くかかりました。以来、旅行に行く際は、宿泊施設の近くに動物病院があるか、診療を行っているかどうかを必ず確認しています。宿泊施設で紹介してくれる場合もありますが、事前に調べておくと慌てることなく安心です。
4.最初は近場から試そう
車酔いをする子もいる
車酔いをする子は、事前に動物病院で酔い止めの薬を処方してもらう、移動時の環境を工夫するなどしてみましょう。ちなみに鈴木さんご夫妻のピノコちゃんも車酔いがひどく、乗った途端によだれを流したり吐いたりしてしまいます。大きめのケージやバリケンネルに入れてみたり、フリーにしてみたりと色々試し、今は、少し狭いかなと感じるくらいのキャリーに落ち着いているそうです。
その子によって何が快適と感じるかは全く違うので、最初は近場をドライブして、車酔いはどうか、どんな体勢が落ち着くかなどを確認しておくといいでしょう。中には、車で移動するとストレスから下痢をする子もいます。いきなり旅行をさせるのではなく、普段から車に乗せて近所に買い物に行ったり、公園に遊びに行ったりするなどして、車の移動に慣れさせておきましょう。
5.ぜひ、愛犬と旅行に出掛けてほしい
鈴木さんご夫妻は、愛犬は家族で子どもと一緒だと話します。「犬がいるから旅行に行かないではなく、子どもを旅行に連れて行って楽しませてあげようと思えば、自然と準備も楽しくなります」。近年、愛犬と同伴できる宿泊施設やレストランなどがたくさんでき、旅行がしやすくなっています。「ぜひ、愛犬と一緒に楽しい思い出づくりをしてください」とご夫妻は語っています。
飼い方・おでかけ, 飼い方・おでかけ
鈴木教悦さん・智子さんご夫妻とチワワのダルビッシュ君とイングリッシュセッターのピノコちゃん
今回の取材にご協力いただいた鈴木教悦さん・智子さんご夫妻は、今までに何頭もの保護犬を引き取って育ててきた大の犬好き。