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愛猫が太りすぎ?猫の肥満対策と健康長寿を目指すためのダイエット方法

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「太り気味ですので、ダイエットをしてください」

獣医師からのまさかの宣告に、愛猫が太っていると言われたときには、「なんとかして痩せさせなきゃ!」と思うものの、実際にダイエットを始めるのは、なかなか難しいですよね…。

しかし、猫の肥満はいろいろな病気を引き起こし、寿命を短くしてしまう可能性があります。
だからこそ、無理なく確実に痩せさせることが重要です。

この記事では、猫の肥満がもたらす病気やおすすめのダイエット方法についてご紹介します。
『愛猫といつまでも一緒に過ごしたいな!』という飼い主さんは、ぜひチェックしてみてくださいね!

1.猫が痩せない!肥満がもたらす病気とは?

猫が痩せない!肥満がもたらす病気とは?ぽっちゃり体型の猫ちゃんは、丸っこいフォルムがとても愛おしく、もふもふしたいですよね。

世界的に見ても太り気味の猫の割合は高まってきており、約30~40%程度が太りすぎ、もしくは肥満体型とも言われています。
肥満とは過剰な脂肪が蓄積した状態であり、それ自体は病気ではありませんが、太ってしまうことでさまざまな病気との関連性が報告されています。

それでは、猫の肥満がもたらす病気の一例をご紹介いたします。

心臓病や呼吸器疾患で突然死のリスクが高まる

肥満が原因で猫に起こりやすい問題の1つ目は、心臓病や呼吸器疾患で突然死のリスクが高まることです。

生きるためには、体の各部分に血液や酸素を送らなければいけませんが、太った猫の場合には、心臓や呼吸器に大きな負担がかかるため、心臓病や呼吸器疾患にかかりやすくなります。

特に運動時には酸素の供給量も増えるため、呼吸が速くなる、口を開けて呼吸をする(開口呼吸は猫ちゃんでは異常な行動です)姿が見られることがあります。
さらに、運動後はすぐ疲れてしまうことが多い傾向があります。

骨関節疾患で活動量が低下してしまう

肥満が原因で猫に起こりやすい問題の2つ目が、骨関節疾患です。12歳以上の猫の約90%は骨関節症にかかっていると報告されています。

たとえば、肥満によって関節や骨への負荷が増大し、特に猫の脚や背中の関節は、余分な体重を支える必要があるため、通常よりも早く摩耗しやすくなります。
その結果、関節炎(関節の炎症)を引き起こしやすくし、関節のクッションである軟骨が過度な圧力で摩耗し、炎症や痛みを引き起こす可能性があります。

また、肥満猫は体重が重いため、動くこと自体が辛くなり、遊ぶことやジャンプなどの活動を避けるようになります。

この結果、筋肉が弱まり、関節のサポート力も低下します。さらに、関節や骨の問題が悪化し、猫が動きにくくなるため活動量がますます低下してしまうという悪循環に陥りやすくなります。

元気そうに見えても慢性的に痛みを感じていることは多く、肥満によって症状が悪化するケースも少なくありません。

糖尿病の合併症で感染症にもかかりやすくなる

肥満が原因で猫に起こりやすい問題の3つ目に糖尿病のリスクが高まることがあります。

糖尿病とは、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが十分に働かないことで、血液中の糖分が増えてしまう病気です。
太った猫は、インスリンが働きづらくなり、その結果、糖尿病の発症リスクが標準体重の猫と比べて約4倍高くなることが報告されています。

糖尿病になると、合併症で感染症にもかかりやすくなるため注意が必要です。

2.猫のダイエットを成功させよう~3つの方法で効果的に痩せる!~

猫の健康寿命を延ばし長生きしてもらうためには、適正な体重で過ごすことがとても重要です。
ただ、「早急に肥満を何とかしなくては!」と思っても、急なダイエットは厳禁です!

猫の急激なダイエットは肝臓に負担がかり、『肝リピドーシス(脂肪肝)』という別の病気を生じる可能性があるため、減量のペースは、1週間に体重の1~2%程度にとどめるようにしましょう。

フードの量と種類を調整する

猫のダイエットを成功するための記事 フードの量と種類を調整する猫のダイエットは、人のダイエットと同じくまずは食事の管理が基本です。
効果的にダイエットをさせるには、フードの量を減らすこと、もしくは減量用の食事に変更することが重要です。
太っている猫は単純に食べすぎていることが多いので、まずは今あげている食事の量を減らして対応するようにしましょう。

しかし、食いしん坊の猫ちゃんの場合、食事量を減らすと催促が増え、ストレスが溜まってしまうこともあるかと思います。
そんな時は、ダイエット専用の食事(療法食)に変更するといいでしょう。
一般的に、療法食は繊維質が多いためかさが増し、また、カロリーも低いのである程度の量を食べても大丈夫です。

療法食は獣医師が処方するので、動物病院に相談するようにしましょう。

もう少し手軽にダイエットを始めたい場合は、ウェットフードの量を増やすことがおすすめです。
ウェットフードは、成分の60~80%程度が水分なので、カロリーを抑えることができます。
また、嗜好性が良く、水分も多いため、猫ちゃんが満足する傾向があるためおすすめです。

▼ウェットフードに関する記事はこちらをご覧ください。
ドライフード?ウェットフード?ペットフードの「硬さ」について

適度な運動をさせる

猫のダイエットを成功させるためには適度な運動をさせることも必要人でもそうですが、猫のダイエットには食事の管理だけでなく、適度な運動も大切です。
肥満度が高い猫ほど運動を嫌い、1日の運動量が少ないことも分かっています。

運動量を増やすための方法として、緩急つけて猫じゃらしを動かし、獲物を追う感覚で遊ばせてあげましょう。
猫の特徴として飽きやすい傾向や好みもそれぞれ異なるため、いろいろなおもちゃを試してみるといいですね。

しかし、猫も勢いよく遊ぶことですぐに疲れてしまうため、『5分遊んだら5分休憩』など時間を決めて遊ぶことも大切です。

その他の対策として、猫が日常的に動くようにするため、キャットタワーやキャットステップなどを家に取り入れてみましょう。
猫は高い場所を好む傾向があるため、高い場所にくつろぎスペースを用意したり、おやつをもって部屋の中をウロウロしたりすることもおすすめです。

おやつはなるべく控える

ダイエットを行う場合は、なるべくおやつも控えるようにしましょう。
とはいえ、おやつを完全にやめることは難しいですよね。

おやつはコミュニケーションツールとしても利用できるので、あげる場合には、
ダイエット用のおやつや小分けに切ったものを用いてみましょう。

3.猫のカロリー計算と食事量について

猫を適正体重に保つには、体に見合った食事量をあげる必要があります。
そのためには、愛猫のベストな体型や体重を知ること、そして、どれくらいのカロリー量や食事量が必要かを把握することが大切です。

BCS(ボディコンディションスコア)とは?

BCSは、Body Condition Score(ボディコンディションスコア)の略で、肋骨の脂肪のつき具合と、腰のくびれ度合によって5段階に分けて適正体重を評価する方法です。

BCS3が標準であり、BCS4,5はウエスト部分にくびれがなく少し太っている状態、BCS1,2は骨ばった状態で痩せています。
※BSC(ボディコンディションスコア)についてはこちらをご覧ください。

出典:
環境省『飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~』p.16参照 (https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/full.pdf

適正体重について判断が難しい場合には、動物病院で診てもらうようにしましょう。

カロリー計算方法

カロリーの計算方法猫が1日に必要なカロリー量(DER;単位kcal)は、簡単に計算ができます。
1日あたりのエネルギー要求量(DER)=安静時のエネルギー要求量(RER)×活動係数です。

RERは、猫が何もせずにじっとしているだけで消費するエネルギー量(単位kcal)のことで、体重(kg)⁰・⁷⁵×70(簡易式として、体重(kg)×30+70)で計算します。

活動係数は、年齢や運動量、去勢や避妊手術の有無などを考慮したものです。
具体的には、次のような基準に基づいて決まります。

【活動係数の主な指標】
・避妊・去勢手術をしていない成猫:1.4
・手術をしている成猫:1.2
・肥満傾向の子:1.0
・減量中の子:0.8

例えば、3kgの避妊済みの猫の場合、一日に必要なカロリー量を計算すると、RER=3×30+70=160(kcal)となります。
避妊済みの猫の場合、活動係数は上記の指標から1.2となるので、DER=160×1.2=192(kcal)と算出され、一日に必要なカロリーが分かります。

食事量の計算方法

キャットフードのグラム当たりのカロリー量は食事によって異なります。
ペットフードのパッケージには、100gあたりのカロリー量(代謝エネルギー)が記載されているため、それをもとに計算しましょう。

1日当たりのキャットフード量は、1日当たりのエネルギー要求量(DER)÷100gあたりのカロリー×100で算出されます。
例えば、3kgの避妊済みの猫の場合、100gあたり400kcalのキャットフードを、1日あたりどれくらい食べてもよいか?計算してみましょう。

先ほどのカロリー計算方法より、簡易式で求めると
RER=3×30+70=160であり、活動係数は1.2ですので、DER=160×1.2=192(kcal)と算出されます。
100gあたり400kcalのキャットフードであれば、192÷400×100=48(g)をあげればよいということになります。

とはいえ、計算によって出されたキャットフード量は、あくまでも一般的な量であり、個体差もあります。
食事量は愛猫の状態を見ながら、適宜増減してあげましょう!

4.まとめ

猫のダイエット方法のまとめ猫の肥満はさまざまな健康リスクがあることがお分かりいただけたでしょうか。可能な限り長生きしてもらえるよう、食事を与えすぎていないか・運動不足になっていないかなど含め気を配ってあげて、健康リスクを減らして一緒に暮らす喜びを増やしていけるようにしましょう。

今回は、猫の肥満がもたらす病気やダイエット方法についてご紹介いたしましたが、実は、太った猫ちゃんをダイエットさせるよりも、肥満にならないように予防する方が簡単なので、日頃から愛猫の体重や体型のチェックをし、適切な食事管理と運動量を心がけて健康的な生活を送れるようサポートしてあげましょう。

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