ドライフード?ウェットフード?
ペットフードの「硬さ」について
目次
ドッグフード、キャットフードには、「ドライタイプ」と「ウェットタイプ」「セミドライタイプ」「セミモイストタイプ」があり、水分量や製法の違いで分けられています。ではいったい、どのような違いがあるのでしょうか。また、飼っているペットには、どれを与えるのがベストなのでしょうか。4つのフードの特徴と、どんな子に適しているのかを詳しくご紹介します。
1.ドライタイプ
水分含有量が10%程度以下のフードをいい、噛み砕いて食べる必要があることから俗に「カリカリ」と呼ばれています。各社から犬(猫)種や年齢に合わせて粒の大きさや形状もいろいろと出ていて、種類が多いのも特徴です。
犬や猫へのメリット
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- 顎がしっかり鍛えられる
- 歯石が付きにくい
- 必要な栄養素が調整されている
飼い主さんへのメリット
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- 簡単に与えられる
- 種類が多い
- 値段が手頃
- 賞味期限が長い
どんな子に向いている?
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- 健康な成犬、成猫
こんなことに注意が必要
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- フードとは別に水を十分に与えること
- 歯が弱った高齢犬(猫)や未発達な子犬(猫)には向かない
ドライフードは水分量が少ないため、犬や猫はどうしても水分が不足しがちになります。特に猫は腎臓や尿路疾患の病気になりやすくなるので、予防のためにも、フードとは別に十分に水分を与える必要があります。
2.ウェットタイプ
水分含有量が75%程度のフードのことです。品質を保持するために、パウチ加工や缶詰加工がされています。フレーク状やパテ状、スープ状など、形状はさまざまです。
犬や猫へのメリット
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- 栄養と水分を同時に摂取できる
- 香りが良く嗜好性が高い
- 噛む必要がなく食べやすい
- 消化吸収が良い
デメリット
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- ドライタイプに比べて値段が高い
- 缶を開ける、封を切るなど、準備に手間がかかる
どんな子に向いている?
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- 歯が悪い高齢犬(猫)、歯が生え揃わない子犬(猫)
- 病気などで食欲がないとき
こんなことに注意が必要
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- 開封すると日持ちがしない
- 歯に残りやすく、虫歯や歯周病、歯石の原因になる
- 増粘剤や防腐剤が使われていることが多い
- 栄養価が低いことがある
犬や猫は鼻が効くので、香りでフードを食べるといっても過言ではありません。その点、ウェットタイプのフードは風味が良く、香りも強いので、食いつきがいいのが特徴です。加えて、歯に問題がある高齢犬(猫)でも食べやすく、消化吸収が良いのが特徴です。ただし、食べかすが歯に付着しやすいので、食後は歯磨きなどの口腔内のお手入れが必要です。逆に歯磨きが嫌いな子は、ウェットタイプは避けたほうがいいでしょう。また、おやつ系のフードが多いのもウェットタイプの特徴なので、それだけを与えていると栄養不足に陥ってしまいます。必ず「総合栄養食」と記載されているフードを選びましょう。
3.ソフトドライタイプ、セミモイストタイプ
犬や猫へのメリット
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- ドライフードよりも嗜好性が高い
飼い主さんへのメリット
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- ドライタイプ同様、食事の用意が楽
どんな子に向いている?
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- 噛む力が弱い高齢犬(猫)、子犬(猫)
こんなことに注意が必要
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- カビが生えやすく傷みやすい
- 口の中ですぐに崩れるので歯に付きやすい
- 防かび剤や潤湿調整剤などが含まれている
歯が悪くてドライフードが食べられなくなった、でもウェットタイプは食べようとしないという子でも、ソフトドライタイプやセミモイストタイプのフードなら食べることがあります。ただし、いったん封を切るとカビが生えやすいので、保管場所や取り扱いには注意が必要です。
4.結局どのタイプのフードを選べばいいの?
健康な犬や猫であれば、ドライタイプのフードを基本にしましょう。犬(猫)種に合わせて粒の大きさや形状もいろいろあり、栄養面も充実しています。また、日持ちがする上、飼い主さんの準備も楽です。病気や食欲がないときは、嗜好性の高いウェットタイプのフードを混ぜたり、トッピングしたりして与えると良いでしょう。食いつきがいいからとウェットタイプのフードばかりをあげると、ドライタイプのフードを全く食べなくなってしまったり、歯石が付いて虫歯や歯周病を促進させてしまったりして、早期に歯を失うことになりかねません。ペットがいつまでも元気でいられるようフード選びは慎重に行いましょう。
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