ペットの安全を守ろう!
食べてはいけない危険な食べ物とは?
目次
人間の生活環境内には、ペットが口にすると危険な食べ物や植物が数多く存在します。意外と気づきにくく、飼い主が普段から食べているからと、うっかりペットに与えて中毒を起こしたり、部屋に飾っている観葉植物をペットがかじって死に至ったりすることもあります。身の回りの危険な食べ物や植物を知って、身近な危険からペット達を守りましょう。
1.絶対にあげてはいけない食べ物
チョコレート
カカオに含まれるテオブロミンという成分が下痢や嘔吐、興奮、発熱、ふらつきや痙攣などを起こします。特に犬や猫とってはリスクが高く、食べてから6〜12時間後に中毒症状が表れます。テオブロミンは代謝、排泄に時間がかかるため、摂取量が多いと昏睡状態に陥ることもあります。
個体差にもよりますが、犬ではおおよそ、体重1kgに対して90〜100mgのテオブロミンを摂取すると中毒症状が出ると言われています。体が小さい個体では、20mg/kgで症状が表れることも。
一般的なチョコレート100g(板チョコ2枚分)には約250mgのテオブロミンが含まれているので、例えば体重が2kgのチワワが板チョコを1/4食べただけでも重い中毒症状が表れるおそれがあります。高カカオをうたったチョコレートではもっと少ない量で中毒を起こします。
玉ねぎ、長ネギ、ニラ、ニンニク
ネギ類には、アリルプロピルジスルファイドという成分が、赤血球を破壊するため、血尿や下痢、嘔吐を引き起こします。アリルプロピルジスルファイドは加熱しても毒性は消えないので決してあげてはいけません。
発症までには数日かかります。玉ねぎが入っているハンバーグや、ニンニクが入っている料理などを犬や猫が口にしないよう注意しましょう。
アボガド
ペルシンという物質が、犬や鳥、ウサギなど、多くのペットに有毒です。果肉はもちろん、葉や皮、種子にも含まれていて、下痢や嘔吐、呼吸困難などの症状を引き起こします。体が小さい小鳥などはそのまま死に至ることもあります。
ぶどう、レーズン
具体的な原因物質はわかっていませんが、尿が出ないなどの急性腎不全の中毒症状を引き起こすと言われています。ぶどうを乾燥させたレーズンも同様で、レーズンパンを犬がうっかり食べてしまい、中毒を起こしたというケースもあります。
キシリトール
キシリトール入りのガムやキャンディーを食べてしまうことで発症します。特に犬が中毒症状を起こしやすく、食べてから30分〜1時間以内に発症することがあります。血糖値を下げるインスリンの分泌が促進されてしまい、嘔吐やふるえ、ふらつき、また黄疸などの肝障害が表れます。重症になると命の危険もあります。
コーヒーや紅茶
ペットに与えることはないと思いますが、テーブルに置いておいたコーヒーを犬や猫が舐めてしまうということは考えられます。
主な症状は、落ち着きがない、水をたくさん飲む、嘔吐や下痢、頻脈などです。重症になると、筋肉の硬直や痙攣があらわれ、ぐったりすることもあるので注意が必要です。
カフェインは、コーヒーや紅茶以外にも、煎茶、エナジードリンク、栄養ドリンクなどにも含まれています。また、カフェインレスコーヒーもわずかですがカフェインが含まれているので、与えてはいけません。
アルコール
犬や猫はアルコールを体内で分解できないため、脳や中枢神経に影響を及ぼし、ふらつき、ぐったりして動かない、嘔吐、呼吸が荒くなるなどの症状を引き起こします。中には匂いを嗅いだだけで中毒症状を起こすケースも。
また、消毒用のエタノールも犬や猫にとっては危険です。散歩後の脚や体を拭くために使用するのはやめましょう。汚れは、濡れたタオルでていねいに拭く、どうしても消毒したい場合は、次亜塩素酸水の利用をお勧めします。
2.与えるときに注意が必要
鶏の骨
鋭利に砕けるため、消化器官を傷つける恐れがあります。
生肉や生魚
犬や猫に生肉を与えることがブームになった頃がありましたが、寄生虫や細菌、ウイルスなどに感染する恐れがあり、消化が悪いため下痢を起こすことがあります。必ず火を通して与えるようにしましょう。
3.食べ物だけじゃない、こんな植物や生き物にも注意
ペットが食べると危険な植物
ポトスやアロエ、アイビー、ドラセナ、ポインセチア、スイセンやスズラン、ゆり科のなどの植物は危険です。これらは犬や猫、小鳥などのペットに有害で、誤って食べてしまうと中毒症状を引き起こすだけでなく、死に至ることもあります。
ペットが口にすると危険な生き物
他にも中毒症状を起こすものにヒキガエルがあります。ヒキガエルは耳下腺から猛毒が分泌されていて、くわえたりして遊んでいると、口の粘膜から毒素が吸収され、心臓に異常をきたすだけでなく、呼吸困難や、最悪の場合は死を招くこともあります。ペットが外でヒキガエルを見つけて遊んでいたら、すぐに引き離してください。
4.もしペットが危険な食べ物や生き物を口にしてしまったら
食べた量に関わらず、直ちにかかりつけの動物病院に相談しましょう。症状が出ていないなくても同じです。ヒキガエルをくわえたり食べたりしてしまった場合は、その場で急いで口の中を水で洗います。危険なものを食べてしまい獣医師が適切な処置が必要と判断した場合は、催吐(さいと)処置といって、薬を使って吐かせたり、食べた量によっては全身麻酔で胃洗浄を行ったりすることもあります。
食べてから時間が経ってしまった場合は、点滴で体内の毒素を薄める処置を行うなど、症状に合わせた治療を行います。
最愛のペットに苦しい思いをさせないためにも、日頃から注意して危険な食べ物や植物を置かないようにすることが重要です。特に食べ物を扱うキッチン周辺には、立ち入れないようにするなどの対処法も必要です。私たち人間にとっては当たり前の食べ物や植物でも、ペット達にとっては有害なものが多いということを日頃からしっかりと認識し、ペットの健康を守るようにしましょう。
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