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【取材記事】種類や年齢を問わない、
ペットの健康維持に役立つ
「スウェーデン式ドッグマッサージ」

人間同様に、ペットたちも高齢になると筋肉が弱ったり硬くなったりして痛くなることがあります。硬い筋肉は血行が悪くなるだけでなく、関節の可動域も狭めてしまうので、動かしづらくなってしまいます。こうした硬くなった筋肉の血行を回復させて可動域を広げ、ペットたちのストレス解消にも役立つのがマッサージです。ペットマッサージにはいくつもの種類があるのですが、今回は馬術競技が盛んな北欧を発祥とする動物理学療法に基づいた「スウェーデン式ドッグマッサージ」をご紹介します。セラピストのしみずりゅうこさんにお伺いしました。

「スウェーデン式ドッグマッサージ」とはどのようなマッサージなのでしょうか。

【しみず】スウェーデンを発祥とする馬用の理学療法に、動物理学療法に基づいたオーストラリアのリハビリ技術と、日本の獣医師の指導を加えた「手技のみ」で行うマッサージです。

特徴は、動物の筋肉や骨格を理解した上で、浅層の筋肉や筋膜に直接かつ優しくアプローチします。海外では動物病院などでも盛んに取り入れられているマッサージで、基本的に触らせてくれる子であれば、体の大きさや年齢に関係なく、どんな動物でも施術可能です。

どのような子にお勧めなのでしょうか。

【しみず】例えば、足が弱ってきてつまずくことが多くなった子や、手足が冷えて冷たい子、手術をするほどではないけれど膝や腰に問題がある子、被毛がパサパサで艶がない子、ストレスや緊張が強い子などに向いています。

また、本来はペットたちの健康維持のお手伝いをするのが「スウェーデン式ドッグマッサージ」の本質なので、若くて元気な子にもお勧めです。

マッサージを行うと血行が良くなり体温が上がるので、毛艶が良くなったり免疫力アップにつながったりするだけなく、体が楽になることで表情が明るくなり、中には自力で立ち上がった高齢犬もいました。施術中にあまりの気持ち良さに、いびきをかいて寝てしまう子もいます。

マッサージを控えたほうがいいケースはありますか?

【しみず】内臓の病気など何かしらの疾患がある場合は、必ず獣医師に相談してから受けていただきます。他にも、捻挫や筋断裂などは、腫れが引くまでは控えてください。骨折、乾癬(かんせん)などの皮膚疾患、出血がある場合も受けられません。慢性の関節炎や筋炎、リウマチなどの疾患は基本的に施術できますが、ごく軽い力で行います。そのほか、てんかんなどの疾患も要相談となります。

高齢になるほど色々な病気を抱えている子が多いので、初回時のカウンセリングには時間をかけています。心配な場合は、先にご相談をいただいても構いません。

どの部位からマッサージをスタートするのですか?

【しみず】まず触らせてくれる部分、触って気持ちよさそうにしている部分からスタートします。ただケースによっては、全く別の場所を触らないと弛まないこともあります。例えば、足の筋肉の硬さが、実は腰の筋肉が原因で硬くなっていることもあるからです。

犬は本能的に弱っている部分を触らせたがらないので、そういう部分は後回しにします。ワンちゃんが嫌がることは決してしません。犬種や年齢、生活環境でも筋肉の硬さや付き方は全く違うので、場合によっては施術の時間を短くするなど、その子その子に合わせた施術を行います。

施術中に噛まれたりすることはありませんか?

【しみず】どうしても噛む子には、安全に施術を行うためにエリザベスカラーをつけさせていただくこともあります。でも、エリザベスカラーを付けたからといって、絶対にワンちゃんに嫌な思いはさせません。逆に信頼の証だと思ってください。ワンちゃんの中には、毎回エリザベスカラーを付けていたら、自分から喜んで付けるようになった子もいます。

施術中のワンちゃんの様子をご紹介します

1)フラットコーテッド・レトリーバーのあんこちゃん(メス:10歳)

スウェーデン式ドッグマッサージは3回目だというあんこちゃん。最初は戸惑っていたそうですが、今はすっかり慣れて気持ちよさそうにしています。この日あんこちゃんは、背中の筋肉が硬くなっているとのことで、しみずさんのマッサージでしっかりほぐされていました。「犬には人間のように痛気持ちいいという感覚はなく、痛かったら鳴くか、逃げるか、噛むかします」としみずさん。穏やかなあんこちゃんの表情を見ていると、マッサージの気持ちよさが伝わってきます。

飼い主さんにお聞きしたところ「高齢になり、時々後ろ足を引きずることがあるので、少しでも生活しやすくなるようにドッグマッサージに通っています」と話していました。マッサージ後はすごく調子が良く、帰宅後はぐっすり眠ってしまうそうです。

2)パグのレオくん(オス:1歳)

施術前は飛び跳ねて遊んでいたのに、マッサージが始まったとたんにこの表情です。この日、お尻の筋肉と足の筋肉が硬かったレオくん。施術後は体がホカホカになり、全身の筋肉が緩んでいました。

3)ゴールデン・レトリーバーのベッキーちゃん(メス:9歳)

1年ぶり2回目の施術だそうです。終始リラックスムードで、しみずさんに大きな体を預けていました。

筋肉の位置を戻して良い筋肉を育てる

ワンちゃんたちの健康維持のために、獣医師は「筋肉をつけなさい」とよく言いますが、しみずさんによると「筋肉が正しい位置に戻らないと、いくら運動をしても筋肉は付きません」と話します。さらに「硬くなっている筋肉を触って『筋肉がある』と勘違いしている飼い主さんが多いのですが、良い筋肉はしなやかで、押すと跳ね返ってくるような弾力があります」と説明します。

「スウェーデン式ドッグマッサージ」は、こうした負担がかかっている筋肉を正しい位置に戻し、体の歪みや偏りを改善することで、良い筋肉を育てる後押しをします。

しみずさんからのアドバイス

マッサージで、ワンちゃんたちの体調もわかると話すしみずさん。いつもなら平気で触らせてくれるワンちゃんが、その日に限って触るのを拒否したことがあり、おかしいなと思い「動物病院で検査をしてみてください」と飼い主さんに話したところ、肩が亜脱臼していたそうです。

また、ワンちゃんに直接触れることで、しこりを発見することも多く、その都度飼い主さんに確認して、必要がある場合は受診を促しているそうです。

しみずさんに、飼い主さんでもできるワンちゃんへのマッサージをお聞きしました。「犬の毛並みはそれぞれの筋肉に沿っています。例えば頭は、頭頂部や耳、額など、よく見ると毛が流れている方向が違うのがわかります。毛並みに沿って、そっと撫でてあげると、ワンちゃんも気持ちがよく、スキンシップになります。」

「スウェーデン式ドッグマッサージ」は生後6カ月から施術が可能です。「近年ではリハビリの一環として取り入れている動物病院もあるので、ペットの健康維持で悩んでいたら、遠慮なくご相談ください」としみずさんは話しています。

くらし・マナー, くらし・マナー

セラピスト しみず りゅうこ (しみず りゅうこ)

Amber589(アンバーゴーハチキュー) スウェーデン式ドッグマッサージ

No dog, No life!
ただの犬好きが生涯犬と暮らすことを考え、運命の保護犬に導かれてドッグマッサージセラピストに出会いました。生まれた時から犬がいる生活を過ごし、大事なことは大体犬に教わり、幸せも沢山もらいました。その恩はマッサージを通してお返しします。
目指すは『わんこから指名されるセラピスト』です。

下記の「犬ともクラブ」では、しみずさんによる「スウェーデン式ドッグマッサージ」を毎月行っています。日時などは下記へお問い合わせください。

「犬ともクラブ」
〒164-0014東京都中野区南台2-20-8 パラシオン南台1階
電話:0800-123-1122
営業時間:9時30分〜19時(月〜土曜)

▽リンク先
犬ともクラブ

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