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大切なペットを感染症から守る、
犬のワクチン接種について知っておこう

食事や運動の管理は愛犬の健康維持に重要ですが、恐ろしい感染症から愛犬を守るには、ワクチン接種が欠かせません。ワクチンは命を脅かす感染症を予防するだけでなく、犬から犬、犬から人へ移る感染症も予防します。では、実際にどのようなワクチンがあり、どのタイミングで接種するのがよいのでしょうか。また、費用はどのくらいかかるのでしょうか。大切な家族を感染症から守るためのワクチン接種についてお伝えします。

1.なぜワクチン接種が必要なのでしょうか

犬の感染症は主に経口感染です。感染した犬の便や嘔吐物、咳やくしゃみなどの飛沫から感染します。

一度感染すると他の犬にうつる恐れがあるだけでなく、命の危険を伴うこともあります。中には「狂犬病」や「犬レプトスピラ感染症」のように、犬から人間にうつる感染症もあり、治療費も含めて飼い主さんに大きな負担がかかります。これらの負担を軽減するには、定期的なワクチン接種が必要です。

2.ワクチンの種類について

犬のワクチンには「法律で義務付けられているワクチン」と「飼い主の判断で接種するワクチン」の2種類があります。

法律で義務付けられているワクチン

狂犬病ワクチンは、国が年に1回接種を義務付けているワクチンです。生後91日以上の犬を飼い始めたら、30日以内に市区町村の集合注射や、動物病院で接種します。翌年からも同様に受けさせます。

集合注射のメリットは、短時間で終了し、その場で注射済票が交付されることです。動物病院で接種するメリットは、健康状態を把握してもらいながら接種でき、周囲に他の犬がいないため、落ち着いた状態で受けられます。ただし、接種後は証明書を市区町村の窓口に持参し、注射済票の交付を受けます。(地域によっては手続きの代行を行なっている動物病院もあります)

飼い主の判断で接種するワクチン

任意で接種するワクチンには「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」があります。コアワクチンは、生活環境を問わず、すべての犬が接種すべきとされているワクチンで「犬ジステンパーウイルス感染症」「犬伝染性肝炎」「犬アデノウイルス2型感染症」「犬パルボウイルス感染症」があります。それ以外のノンコアワクチンは、生活環境や暮らし方などで、リスクに応じて接種を推奨されているワクチンです。

また、病気単体のワクチンと混合ワクチンがあり、組み合わせることも可能です。動物病院により、取り扱っているメーカーや混合が変わることがあるので、愛犬の体質やライフスタイルに合わせて獣医師に相談しましょう。

一例として

    • いつも室内にいて他の犬と接触しない……5種
    • 外出はお散歩程度……8種
    • キャンプやアウトドアによく出掛けていて他の犬との接触が多い、家庭内に小さな子供や高齢者がいる……10種

といった感じです。

ワクチンで予防できる犬の感染症

※2015年「動物伴侶ワクチン懇話会」の調査より

費用について

施設により異なりますが、狂犬病のワクチン接種は、おおよそ3,000〜4,000円。混合ワクチンは、6種で5,000〜8,000円程度、10種では9,000〜12,000円程度見ておきましょう。

ワクチン接種の間隔

これは獣医師によっても意見が分かれるところです。3年経っても抗体量が保たれているとされるワクチンもあれば、1年弱で抗体量が減少してしまうワクチンもあるようです。

そのため、コアワクチンも含めて、毎年接種を推奨する動物病院もあれば、ノンコアワクチンのみ毎年接種して、コアワクチンは毎年でなくてもいいとする動物病院もあります。獣医師とよく相談して、愛犬に合った接種プログラムを作っていきましょう。

3.ワクチン接種前後の注意点

ワクチン接種の当日は、初めてのフードやおやつなどは与えないようにしましょう。接種後に具合が悪くなったとき、それがフードやおやつによるものなのか、ワクチン接種によるものなのかがわからなくなるからです。

副反応は多くの場合24時間以内に表れ、犬種や年齢、接種の回数に関わらず起こります。ワクチン接種後は、下痢や嘔吐がないかなど2〜3日様子を見るようにしましょう。激しい運動やシャンプーも控えます。もし、接種直後に倒れる、ふらつく、呼吸が荒いなどの症状が出た場合は、アナフィラキシーショックかもしれないので、すぐに受診しましょう。

4.愛犬を守るために

諸外国と比較すると、日本の犬の混合ワクチン接種率は、アメリカの84%、フランスの68%に対し、わずか28%となっています1)。ワクチンで予防できる感染症が数多くあるのに、接種していないために多くの愛犬が病気で苦しんだり命を落としたりしているのです。

ぜひ、ワクチンに対する理解を深め、愛犬を恐ろしい感染症から守りましょう。

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