猫が異物を誤飲・誤食した場合に迷わず行動するための対処法
目次
愛猫が誤飲や誤食をしたときには、動物病院に行くべきなのか?悩んでしまいますよね…
元気がある場合には、様子を見ることもあるかもしれませんが、実はNGなことが多々あります。
この記事では、猫が誤飲や誤食をしたときに出る症状や動物病院に行くべきタイミングなどをご紹介します。
『愛猫が異物を食べたかもしれない!』という場合には、慌てず読んでみてくださいね。
1.猫が誤飲・誤食をする理由とは?何を食べてしまうの?
猫の異物の誤飲・誤食は、受診理由の中でも比較的大きな割合を占めています。
どの年齢でも見られますが、特に好奇心旺盛な若い猫に多く見られます。
また、分離不安や住環境にストレスを抱えている場合や、飼い主の関心を引こうとして誤飲や誤食をすることがあります。
誤飲・誤食の対象は、ゴムやおもちゃ、プラスチックや植物などと多岐にわたり、人の薬やネギ類の誤食、歯みがきガムの丸飲みなどもしばしば見られます。
さらに、猫の舌はザラザラしているため、ひも(繊維)類が絡みやすく、吐き出そうとしても吐き出せずに飲み込んでしまうことがよくあります。
2.猫の誤飲・誤食はどんな症状が出る?
猫の誤飲や誤食による症状は、何をどのくらい食べたかによって異なります。
ただ、よく見られる症状としては以下のものが挙げられます。
無症状で元気な場合が多い
誤飲・誤食をしても、気づかれないまま吐き戻すか、便と一緒に排出されることが最も多いです。
小さなものや消化されるものを誤飲した場合は、症状が出ないことが多い傾向にあります。
しかし、ある程度大きいものを誤飲・誤食した場合や、毛づくろいをすることで、胃の中で飲み込んだ毛と絡まり大きくなった塊などは、無症状のまま胃の中にとどまることもあります。
その後、数週間から数か月後に嘔吐や食欲不振などの症状が現れることがあり、注意が必要です。
嘔吐や下痢、食欲不振
よく吐く、食欲がないといった症状もしばしば見られます。
猫に中毒症状を引き起こす物質として観葉植物やネギ類などがありますが、これらを誤食した場合、消化器症状がよく現れます。
※食べてはいけない食べ物について気になる方は以下の記事をご覧ください。
▼ペットの安全を守ろう!食べてはいけない危険な食べ物とは?
https://petpo.jp/gohan-oyatu/go001/
また、胃の出口や腸内に詰まる大きさや形状のものでは、腸閉塞や消化管穿孔(しょうかかんせんこう )※消化管の壁に穴が開くことを引き起こすこともあります。
たとえば、ひも状などの異物を飲み込んだ場合、腸管がつまり、腸閉塞や腸穿孔、腸の壊死を引き起こすことがあります。
分かりにくい症状(何となくいつもと違う)
『何となくいつもと違う』といった分かりにくい症状を示すこともあります。いつもより寝ている時間が長い、普段よりウロウロしている、顔つきが弱々しい…などちょっとした違いが、実は体の不調を訴えているケースはしばしばあります。
3.猫が誤飲・誤食をしたときの対処法とは?
愛猫が何かを食べてしまった、もしくは食べたかもしれないと思ったときは、様子を見るべきか?それともすぐに動物病院に行くべきか?悩んでしまいますよね。しかし、できるだけ早く、誤飲に気づいたタイミングですぐに動物病院を受診すべきです。
というのも、誤飲・誤食後の数時間以内であれば、治療の選択肢が広がるからです。
ここでは、猫が誤飲・誤食をした際の、動物病院での対処法をご紹介します。
レントゲン検査や超音波検査で確認する
レントゲン検査や超音波検査を行うことで、胃腸の中の様子をチェックします。
一般的に、これらの検査は無麻酔ですぐに行うことができます。
誤飲・誤食をしたと思われる物が、家に残っている場合は、それを病院に持っていくことで獣医師が大きさや形状を判断できるため、診断や治療に役立てることができます。
ただし、レントゲンに写らないものや胃の中に食べ物が残っている場合は、診断が難しいこともあります。
うんちとして排せつされる可能性があると判断した場合や、明らかに危険な異物がないと判断された場合は、様子を見ることもあります。
吐かせる(催吐処置)
誤飲・誤食後、数時間以内であれば、胃の中に異物が残っている可能性が高いため、薬を使って吐かせる処置ができます。
薬は注射や点眼で投与しますが、猫の場合はうまく吐かないことが多いため、高容量の薬を使う場合もあります。
吐かない場合は、次にご紹介する消化管内視鏡や開腹手術を行うこともあります。
消化管内視鏡や開腹手術を行う
異物が消化管に確実にある場合や、何かしらの症状が出ている場合には、消化管内視鏡や開腹手術によって対応します。
例えば、腸にひも状の異物が絡まっている場合、状態によっては壊死した腸を切除する必要があり、全身麻酔をかけて内視鏡や開腹手術を行います。
また、容態が悪い場合には、点滴治療を施した後に手術を行う場合もあります。
4.猫が誤飲・誤食をしないための3つの対策
猫が誤飲や誤食をしないようにするためには、日頃からの対策が重要です。以下に具体的な対策を3つご紹介します。
①部屋の整理整頓
誤飲・誤食を防ぐ対策として最も大切なのは、猫の手の届く範囲に危険なものを置かないことです。
ごみ箱は開けられないようにフタをする、ティッシュやビニール、おもちゃなどは出しっぱなしにしないように心がけましょう。
引き出しを開ける猫には、チャイルドロックを使用するのも効果的です。
また、観葉植物や花は猫にとって危険なことが多いため、可能な限り家の中に置かない方が安全でしょう。
その他、布を頻繁に吸ったり噛んだりする猫がいる場合は、毛織物を置かない方が安心です。
②ストレスの解消
ストレスが原因で誤飲・誤食をする猫もいます。何がストレスの原因になっているかを見極め、できる限り取り除いてあげることが必要です。
また、十分に眠れる場所を複数の場所に用意し、食いつきの良い食事と新鮮なお水を与えるようにしましょう。
さらに、適度な運動を心がけることも大切です。たとえば、猫じゃらしを使って狩りの欲求を満たす遊びをしたり、キャットタワーやキャットステップを設置したりするなど、日頃から運動ができる環境を整えてあげましょう。
③日頃からの観察
誤飲や誤食に気づかず、症状が出て初めて異物を食べたことに気づく場合や、動物病院を受診して初めて分かることもあります。
ただし、前兆として、食欲が少し落ちたり、いつもと違う場所で過ごしていたり…などの行動が見られることもあります。
そのため、日頃から愛猫の様子をしっかりチェックしましょう。
5.まとめ
猫が誤飲・誤食をすると、吐いたり食欲不振になったりすることがありますが、症状が出ない場合や、数か月後に現れることもあります。
誤食にすぐ気づいた場合には、動物病院で吐かせるなどの処置ができるので、もし愛猫の誤飲や誤食に気づいたら、迷わず動物病院を受診しましょう!
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